犬のしつけの中でも、悩んでいる方も多い『無駄吠え』の問題。実は犬は無駄に吠えているわけではない?
無駄吠えの定義と、犬が吠える理由と原因を知ることは愛犬を理解するのに不可欠です。
知らず識らずのうちに間違っているかもしれない逆効果のしつけ、吠える犬への対処法もまとめています。
犬の無駄吠えの定義とは
元々犬は吠える生き物です。野生の頃、犬は群れで行動していたので、吠えることで自分の状況や情報を伝えていました。
人間に飼われるようになると、不審者がいるとき、羊の大群をまとめるとき、獲物を見つけたときに吠えることでパートナーとして人間と良い関係を築いてきました。
現在は、愛玩目的で犬を飼うことがほとんどですね。吠えてほしい場面は少なくなり、人間にとっては吠えてほしくない場面の方が多い生活に変わりました。
飼い主が吠えてほしくないときや、どうして吠えるているのかわからない吠え方を『無駄吠え』と一般的には言われています。しかし専門家からすると、犬は「無駄」に吠えるわけではないと言います。
犬はしっかり理由や原因があって、それを伝えるために吠えているのです。
犬が吠える原因や理由
➀ 警戒している
知らない人が近づいてきたとき、他の犬とすれ違ったとき、大きな物音がしたときなど、不安や恐怖心を抱いたときに吠えることがあります。警戒吠えと呼ばれます。
➁ 要求している
散歩がしたい、抱っこしてほしい、ケージから出してほしい、など犬に欲しい物があってそれを伝えるために吠えることがあります。要求吠えと呼ばれます。
➂ 興奮している
飼い主さんと遊んでいるとき、大好きな散歩に行くときなど、嬉しさから感情が高ぶって吠えることがあります。
➃ 攻撃的になっている
知らない人が近づいてきて、最初は警戒吠えをしていたのが、自分を守るために「これ以上近づいたら攻撃するぞ」という意味で吠えることがあります。
➄ 病気になっている
病気で目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったとき、その不安から吠えることがあります。認知症で吠えるようになってしまうことも。
単に吠えているだけでも、“無駄”ではなく犬にとってさまざまな理由があるのが分かりますね。
犬の無駄吠えへの間違ったしつけ方法
正しいと思っていた自分流のしつけ方法が、実は逆効果かもしれません。今一度見直してみましょう。
➀ 口を抑える
古いしつけ本に載っている場合がありますが、この方法は犬に恐怖心を与えてしまうので良くありません。
➁ ケージを罰に使う
吠えてしまうからと、ケージをお仕置きに部屋にしてしまうと、いざというときに入りたがらなくなってしまいます。
➂ 怒鳴ってしまう
怒鳴ってしまうと、「吠え返してくれた」と犬が勘違いしてしまうことも。また、周りが騒がしくした場合も、楽しいことがあるのだという勘違いをしてしまいます。
➃ 叩くなどの体罰
言うことを聞かないからと、暴力を振るってしまうのは良くないです。犬との信頼関係を著しく損ねてしまいます。
芸を教えようとして、“ワンワン”と2回吠えたらおやつをあげるようにしていたら、おやつが欲しくてワンワン吠えるようになってしまった、という失敗談もあります。
吠える犬への対処法
➀ 来客時に吠える
まず「天罰式」と呼ばれる方法。吠えだしたときに小銭の入った缶などを床に落とすなどして大きな音を出します。音に驚いて吠えるのを止めたら褒めてあげます。
「吠えなかったら褒めてもらえる」と覚えさせる方法です。音を出しているのが飼い主と悟られないように、犬が目をそらした隙に音を出しましょう。
他には、吠えそうなシチュエーションになったら、おすわりなどをさせて意識をそらせるたり、チャイムが鳴ったら床にドライフードを撒き、チャイム=フードがあると覚えさせると、チャイムが鳴ったときに床にフードがないか探すように。
➁ 留守番をさせるときに吠える
ひとりが寂しくて吠えてしまうので、犬をひとりにさせる練習をします。少ない時間から少しずつ慣れさせていきます。
出かけるときに声をかけると「今からひとりにするよ」という合図になってしまうので、留守番させるときは犬に声をかけないように家を出るのも良いです。
➂ 構ってほしい!などの要求吠え
ご飯がほしい、構ってほしい、犬が何かしてほしいときに吠える、要求吠え。
一般的に要求吠えには、無視をすることで対処します。吠えている間は徹底して無視をし、吠えるのを止めたタイミングで犬の要求に応えます。
あらゆる無駄吠えに対して簡単にできる対処法です。
犬の無駄吠えしつけ方まとめ
犬は無駄に吠えたりはしません。まず、なぜ犬が吠えるのかをしっぽの動きなどから理由を探ります。
吠える理由を見極めたうえで、適切な対処をしましょう。
・犬が吠える理由
不審者を警戒している、心細い、興奮している、要求を伝えようとしている、などがあります。
・吠える犬の対処法
環境に慣れさせる、犬の不安を取り除く、吠えているときは要求に応じない。
「吠えるのを止めたら要求が通った、褒めてもらえた」と覚えさせるようにしていきます。
吠えている口を抑えたり、体罰をするのは逆効果。信頼関係を損ねてしまいます。
病気で目が見えなくなってしまった、認知症などでも吠える場合があるので、吠える理由をしっかり考えるのが大切です。
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